『 ルーティン&サプライズ 』
日々、ルーティン化している生活リズムの中で不意に起きる嬉しい驚きに胸を打たれる方も多いのではないだろうか。
とは言え、大人になってからというもの、慌ただしい日常で大きなサプライズということに中々出会わなくなったような気にもなっていた。
先日、辺りもすっかり暗くなった頃の帰路。間も無く自宅に到着するというタイミングで、目の前に大きな光が見えた。
花火だ。
コロナ禍で、医療従事者や住民を労うための花火が各地でもあがっているニュースはよく目にしていたが、実際、自分がその場に出会したのは初めてだった。自宅を通り越し、近くの公園に進路を変更。華やかな花火の光と音、香り、そして民家から聞こえる子どもたちの喜びの声を楽しんだ。時間にしてほんの数分、1分程の束の間の時間だったが、充実感や幸福感が一気に高まった。この際にあがった花火は、毎年行われているお祭りの中止に伴い、有志の皆さんからの贈り物だったそう。イベントの開催が難しい昨今、お客さん以上に主催者がやるせなさを抱いているのだろうと想像していた中、自身の寂しさを跳ね除けて、沢山の人に喜びを届ける行動ができる人々に心から感謝した瞬間だった。
更に日は遡り、友人から夏の思い出を作ろうと浴衣を着ることを提案された。せっかくなら地元を学びながら散策しようと、歴史や文化に触れた。その時間もまた充実感であふれていた。
オンラインでのコミュニケーションが定着しつつあるが、アナログな遊びや感性がまた注目を浴びているらしい。限られた環境での楽しみ方や驚きはまだまだ多くありそうだ。